登記が終わると司法書士から「登記完了証」や「登記簿謄本」を受け取ります。
登記完了証や登記簿謄本には「不動産の住所」と「所有者の住所」が載っています。この住所に見慣れない文字が入っていたり、自分の住所とは違うと思う人はいませんか。
間違えて登記されてしまったのではないかと不安に思うかもしれません。
目次
登記簿上の住所がなぜおかしいのか
登記簿に記録されている住所が郵便物を郵送する際に使う住所と違うことがあります。もちろん誤って登記された可能性もありますが、登記申請は厳格に行われるため誤登記がされたということはあまり考えられません。
住所の表示が異なる理由
前提として①「住所」②「土地の所在」③「建物の所在」は別個のものとして考えられています。
①「住所」は人の生活の本拠です。(民法22条)つまり、人を主体に考えています。郵送をする際に使う住所がこれに当たります。また、住民票に記載されるのもの住所です。
②「土地の所在」は土地を主体に考えています。土地の登記簿にはこの土地を特定するために割り振られた文字が記録されています。「地番」と呼ばれます
③「建物の所在」は建物を主体に考えています。建物の登記簿にはこの建物を特定するために割り振られた文字が記録されています。「家屋番号」と呼ばれます。家屋番号と地番は同じであることが多いです。ただ、異なる場合もあります。
昔は①住所は②土地の所在をもとに特定していたため、地番と住所が同一でありました。しかし地番をもとに実際に住んでいる住所を特定するのが困難になることがありました。
この問題を解決するために「住居表示」という制度が導入されました。
住居表示とは住所を特定しやすくするために地番とは別個に番号を割り振ったものです。住居表示によった新たな番号が「住所」です。ただ、住所が新しくなっても土地や建物を特定する「地番」や「家屋番号」は依然として使われています。
この住居表示によって地番と住所が異なるケースが出てきました。
住居表示が行われても不動産の所在はあくまでも「地番」です。しかし、住所は住居表示によって変わっています。
つまり
登記簿上の不動産の所在⇒地番
郵送する際に使う住所⇒住居表示によって変わったもの
ということです。
まとめ
地番や家屋番号は法務局の管轄であり、住居表示は市町村の役所が定めているためそれぞれ別個のものです。
登記簿上に見慣れない文字が入っていたり、普段使う住所と違っていても問題はないので安心してください。